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U35さん メイキング&インタビュー!魅力的なキャラクターと色彩をつくるステップとは?

鮮やかな色使いと躍動感あふれるキャラクターを描くU35(うみこ)さん。キャラクターたちの周りに流れる風の動きまで感じられる、生き生きとした表現が魅力のイラストレーターさんです。現在は『あれは超高率のモチャ子だよ!』(丹羽春信(著)/角川スニーカー文庫)、『漂流王国 難民勇者と目指すトップアイドル』(玩具堂(著)/角川スニーカー文庫) 』をはじめ、数多くのライトノベルや画集にイラストを寄稿されています。
今回は、そのU35さんに液晶ペンタブレットの最高峰『Cintiq 27QHD』を試用していただき、描き下ろしイラストを仕上げていただきました。 普段の執筆では『Cintiq 13HD』を愛用されているというU35さん。『Cintiq 13HD』と比べ4倍以上の描画面積を誇る『Cintiq 27QHD』の大きさは、制作にどのような変化を与えたのでしょうか? 液晶ペンタブレットが気になる人は必読です!
さらにインタビューの後半では、社会人になってから本格的に活動を始められた、U35さんのお絵描きのルーツに迫ります。
気になる内容が盛りだくさんの今回ですが、まずは『Cintiq 27QHD』で描かれたイラストのメイキングから見ていきましょう。
今回は、そのU35さんに液晶ペンタブレットの最高峰『Cintiq 27QHD』を試用していただき、描き下ろしイラストを仕上げていただきました。 普段の執筆では『Cintiq 13HD』を愛用されているというU35さん。『Cintiq 13HD』と比べ4倍以上の描画面積を誇る『Cintiq 27QHD』の大きさは、制作にどのような変化を与えたのでしょうか? 液晶ペンタブレットが気になる人は必読です!
さらにインタビューの後半では、社会人になってから本格的に活動を始められた、U35さんのお絵描きのルーツに迫ります。
気になる内容が盛りだくさんの今回ですが、まずは『Cintiq 27QHD』で描かれたイラストのメイキングから見ていきましょう。
ラフ・線画
下描きは紙と鉛筆で行い、それをスキャンして使用します。本当はフルデジタルで描く方が早いとは思うのですが、やはり描きやすさから紙と鉛筆は手放せません。

今回はキャラクターメインで、シチュエーションをいくつか考えて3パターン描いた中から、こちらを選びました。私のラフは構図を決めるためのものなので、今回お見せしているものよりも大まかな場合がほとんどです(汗)。
仮色をつける
ペン入れに進む前に、全体的な色味を考えます。まずはキャラクターの色を大まかに載せて、次に背景を考えていきます。

夏が好きなので、今回は入道雲を描くことにしました。空は青空かな……と思ったのですが、普段から青空はよく描いているので、たまには違った感じで夕暮れ時にしてみました。
【ポイント】色味は「一番表現したいもの」に合わせて決める!
今回はキャラクター重視なのでキャラの色から決めていきましたが、シチュエーション重視の場合には背景から色味を考えます。
その絵で一番表現したいのは、キャラなのか、全体の雰囲気なのか。そこを明確にすることは、最終的な仕上がりにまで影響を与える大事なポイントです。
その絵で一番表現したいのは、キャラなのか、全体の雰囲気なのか。そこを明確にすることは、最終的な仕上がりにまで影響を与える大事なポイントです。
ペン入れ
大体の雰囲気が固まったら、ラフを仕上げてペン入れをしていきます。
躍動感を出すために、風がどう当たるのかを常に意識して、髪や服がどうなびくのかを考えて描きます。
躍動感を出すために、風がどう当たるのかを常に意識して、髪や服がどうなびくのかを考えて描きます。

ここはひたすらトライ&エラーの繰り返しで、どうしても時間がかかってしまいます。
ただ、『Cintiq 27QHD』は表示される面積が広いので、全体的なバランスが取りやすくて助けられました。
線画が完成したら、塗っていく色ごと・場所ごとにレイヤーを分けていきます。余り分けすぎても大変なのでほどほどで……。
ただ、『Cintiq 27QHD』は表示される面積が広いので、全体的なバランスが取りやすくて助けられました。
線画が完成したら、塗っていく色ごと・場所ごとにレイヤーを分けていきます。余り分けすぎても大変なのでほどほどで……。
キャラクターの彩色
私の場合、キャラクターはパキっと塗り分けた、いわゆる“アニメ塗り”が好みなので、単色でどんどん塗っていき、そこから影を付けて仕上げていくやり方です。ごくごく普通の塗り方ですね。

色分けをした後、背景を含めた全体の雰囲気と合うように色味を調整して、各パーツを塗りこんでいきます。

逆光に見えるように、影の面を大きくざっくりと入れていきます。正面から見て少し左側から光が当たるように意識しました。全体的に影をつけたら、目の下・髪の毛の下・光と影の境目の部分に、少し濃いめの色を厚みが出るように意識して置いていきます。

服や髪の毛も、肌と同じ要領で塗っていきます。

のっぺりした印象から少し温かみというか、ふわっと感が出るように、オーバーレイで髪の毛に少し加工を加えました。ここで、キャラクターの彩色はいったん終了です。
背景の彩色
続いて、背景を「夏の終わりの夕暮れ」に見えるように意識して、着色していきます。

下描きで制作した背景の色味が気に入っているので、そのままレイヤーに色を塗りこみました。雲を仕上げた後、街も別レイヤーで描き進めていきます。

「発光」モードのレイヤーを作り、自分で撮影した写真を参考にしながら、夕陽や街の雰囲気が出るように調整します。
背景は厚塗りの手法で塗っていきますが、背景の色に合わせてキャラの肌や服の塗り直しも並行して行います。大切なのは、下塗りから色が変わることを恐れない勇気!このあたりは、それぞれのバランスを取りながら、ひたすらひたすら調整です。
背景は厚塗りの手法で塗っていきますが、背景の色に合わせてキャラの肌や服の塗り直しも並行して行います。大切なのは、下塗りから色が変わることを恐れない勇気!このあたりは、それぞれのバランスを取りながら、ひたすらひたすら調整です。
仕上げ
キャラがアニメ塗り、背景が厚塗りなので、1枚の絵として成立するように色調や効果を調整していきます。

最後の調整はPhotoshopで行っています。色味は悩みましたが、少し落ち着いた雰囲気を出したかったので、発色を抑え目にしました。
どうしてもキャラクターが浮いてしまいがちなので、ここはかなり神経を使いますね。まだまだ勉強です。
どうしてもキャラクターが浮いてしまいがちなので、ここはかなり神経を使いますね。まだまだ勉強です。
完成!

お疲れ様でした!
ラフから完成まで、大体16〜17時間くらい。一番時間がかかったのはやはりペン入れで、4時間ほど費やしてしまいました。それでも『Cintiq 27QHD』のおかげで、普段よりは短くてすみました。
ラフから完成まで、大体16〜17時間くらい。一番時間がかかったのはやはりペン入れで、4時間ほど費やしてしまいました。それでも『Cintiq 27QHD』のおかげで、普段よりは短くてすみました。