出水ぽすか(ポ~ン)さんの創作の原点に迫る!独自の魅力を放つイラストのメイキング&インタビュー!
たくさん持ち込んでたくさん断られたけど、やっぱり目の前で読んでくれて、感想をもらえるのが嬉しかった。
漫画を描くのが好きだったので「まずはとにかく投稿からだ」と、描いては新人賞とかに応募していました。それと平行して、好きな本を出している出版社さんに片っ端から電話をかけて、イラストを持ち込んだりしていました。とにかく見てもらって感想をもらえるのがうれしかったんです。
そんな時にpixivにイラストを投稿してたくさん描くようになりました。イラストとして意識して描くようになったのは、その頃からですね。

pixivへの登録は、公開されてからわりとすぐだったと思います。ただ、登録こそしたものの、オリジナルのイラストを中心に投稿していたので閲覧数はあまり伸びませんでしたね。
ですが、2012年にランキングで「オリジナル」の項目が増えて「オリジナル」タグで検索される方が増え、たくさんの人に見てもらえるようになりました。ランクインする機会も増えて、さらにたくさんの人が見てくれるようになったんです。漫画の持ち込みと一緒で、見てもらってコメントをもらえるのって、やっぱりとても嬉しいんです。
「もしかしたらイラストでもお仕事ができるかも…」って思えるようになったのは、この頃です。おかげさまで、最近はちょこちょことイラストのお仕事もいただけるようになりました。
いくつかあるのですが、とにかく消失点は必ず取るようにしています。厳密にパース線を描くまではしませんが「このイラストの消失点はどこなのか」を常に意識しています。これは私が漫画家だからなのかもしれませんが、読者の視点がどう動くのか、どう絵を見ているのかが一番気になるんです。
あとは、意識して下書きの線を残すように心がけています。下書きでは、主題となるキャラやアイテム以外はあまり描き込みをせずに、彩色でも厚塗りにはならないよう意識して、描き込みすぎたかな?と感じたら少し消したりもしています。
これも漫画の原理なんですが、描きたいものの中心をしっかり描いて、他の部分の密度を下げるというのは、集中線がかかっている状態と同じなんです。そうやって見せたい部分に視線が集まるよう、下書き段階から気をつけて描くようにしています。
特に私の場合は、紙に鉛筆で描いたものを取り込んで線画として用いているので、その線をなるべく完成まで残したいんですね。ですから、いわゆる「ペン入れ」の作業はほとんどせず、PC上では線を整える程度です。もちろん、漫画のようにペン入れを行う場合もありますが、その際にはペン入れまで紙の上で行ってしまいます。

お絵描きソフトとしては「Photoshop CS4」と「CLIP STUDIO PAINT」を。漫画制作には「ComicStudio」を使用しています。
「Photoshop」は学生時代から使っているので、もう手放せないですね。ただ、ここ最近は「CLIP STUDIO PAINT」を使っていてとてもよい感触なので、もっと使い込みたいと思っています。

なにか嬉しいことや悲しいことがあったときって、人に聞いてもらいたくなるじゃないですか。それが私の場合には、話すよりも絵にすることのほうが多いんですね。
そして、そういう絵を描いているときは、大抵見てもらいたい人を想像しながら描いています。実際に見てくれるかなんて分かりませんが「あの人にみせたいなあ」「これを見たらどんな風に感じてくれるだろう?」って思いながら描く方が、モチベーションが上がります。
いま一番やりたいのは、画集を出すこと!ですね。
描きたいモチーフはたくさんあって、挙げていくと支離滅裂になってしまうんですが、やっぱり好きなものを描いていきたいですね。メカでも女の子でも風景でもなんでも。創作って好きが原点にないと描けないと思うんです。だから、もっとみんな好きなものを好き勝手に描けばいい。当然、描いて人に見てもらうと色々なことを言われます。でも何を言われても、そこに描かれているのは自分のファンタジーなんだから構わない。だってそれは、あなた(自分)だけのものなんですから。

- 出水ぽすか
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フリーランスのクリエイター。1988年生まれ、東京都在住。
2015年現在、「出水ぽすか」名義で月刊コロコロコミック「魔王だゼッ!!オレカバトル」を連載しているほか、ライトノベルの表紙イラストや挿絵、CDジャケットなどのイラストを数多く手掛ける。作業環境
PC: HP x2301 23インチワイド アクア・スリムLEDモニター
ペイントツール: Photoshop CS4をメインに、CLIP STUDIO PAINTを併用。漫画制作にはComicStudio。
ペンタブレット: Cintiq 13HD/Cintiq Companion
オススメ書籍
カラー&ライト 〜リアリズムのための色彩と光の描き方〜
「描き込む部分と描かなくてもよい部分、モーションブラーという手法など、非常に分かりやすくテクニックが解説されています。」
出水さん使用ペンタブレット
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