俺はモブとして生きる!不条理過ぎるギャグマンガ『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』
文/ひらりさ

男同士の愛や憎しみを描き、数多くの女子を萌えさせてきたジャンル──それが「ボーイズラブ(BL)」です。一度ハマると、そこは沼。「ヘタレ攻め最高!」「あ、ヤクザ受けもアリかも知れない」とえんえんと脳内で考え続けるようになり、「天井と床だったらどっちが受けでどっちが攻めだろう……」といった受け攻め大喜利で時間をつぶせてしまうという猛者も少なくありません。
妄想から始まったBLジャンルには、男同士の恋愛だからというだけではない、独特な「あるある」がたくさん見受けられます。好きな相手が同性と話しているとすぐ嫉妬して引き離したり、イケメンよりも地味な顔の男子のほうがモテたり、恋に落ちた瞬間に相手のことを「女みたいに華奢だな」「まつげ、意外と長いな」と評し出したり、女子の顔がやたら曖昧に描かれていたり……。
そんな、普段BLを読んでいる腐女子たちが「萌える!」でスルーしている「あるある」に容赦なくツッコミを入れる新感覚マンガが、4月8日に発売します。その名も『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』。
舞台は「BL漫画の中」。その中の脇役で、自分がマンガの主人公であるだけではなく、このマンガがボーイズラブであるということに気づいてしまった男子大学生が、物語の主人公。
「この世界……すぐに男同士で恋が始まってしまう」と気づいた、巨乳好きの彼は「親に孫を抱かせてやれるのは俺しかいない」としてモブ(=恋愛に巻き込まれない脇役)として暮らすことを誓います。そうして「飲み会で誰かが酔いつぶれたのを介抱する」「ヤンキーと肩がぶつかる」など、BLにありがちなフラグを華麗に回避しながら、周囲で起きるBLを淡々と観察していく……というかなりシュールで不条理なギャグマンガなのです。

道端ですれちがった人も、大学の同級生も、そして弟も……周囲のすべての人間が男同士と恋に落ちていくなか、彼はどこまでもフラット。電車でいちゃいちゃプレイする男たちの興奮のダシにされたり、弟から「実は親友だと思っていたやつに告られて……」と明かされたりしても、「ここはBLマンガの中だぞ!」とは叫ばず、あくまで淡々と彼らを見守りつつ「彼女欲しい……」と願って過ごしているのです。まあ、BLマンガの中には、根っから男同士にしか興味ない女子や、女の子同士でくっついている女子が多く、彼には一向に彼女ができないのですが……。


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