アプリゲーム運営の裏側にドキドキ!『これだからゲーム作りはやめられない!』

文/ひらりさ
通勤中、昼休み、飲み会の合間……人前でスマートフォンをいじっている人が珍しくなくなったこのご時世。人々が特に時間とお金をそそぐジャンルとして急成長したのが、携帯でプレイ可能なモバイルゲームです。ものすごい数のゲームアプリがリリースされ、それらのアプリのなかでは「限定ガチャ」や「ギルドバトル」などのイベントが、連日のように開催されています。この記事を読んでいる方のなかにも、推しキャラのためにガチャに浪費してはカード引き落とし日にため息をつく「廃課金」勢がいるのではないでしょうか?
ときには、課金しすぎ&時間の使いすぎで、人生が狂うことすらある魔力的なアプリゲーム。その製作の裏側を楽しむことができるのが、たかし♂さんの『これだからゲーム作りはやめられない!』です。



『これだからゲーム作りはやめられない!』第1の魅力は、ゲームづくりの現場がとにかくリアルに描かれていること。デバッグが終わっているデータの急な差し替え、新規開発中のゲームのテストプレイ、何年も携わってきたゲームの開発中止……。「好きを仕事に」しているように見える人たちが直面している苦労がつぶさに描かれており、しかもそこから「やっぱこの仕事好きだ」につながる過程にしっかりした説得力があり、まるでソーシャルゲーム版「プロジェクトX」を観ているような、感動が残るのです。キャラクターのやりとりのなかの専門用語もしっかりと解説されていて、なにかのソシャゲにハマっている人は胸が熱くなること間違いなしのテイストとなっています。


もちろん、登場するキャラクター1人ひとりも個性的。飯島や南だけでなく、仕事に打ち込みすぎて会社内で行方不明になっているアートディレクター・茸中(たけなか)さんや、謎のマスコットキャラの姿をしたプロジェクトマネージャー・上司(かみす)さんなど、多様な職種の同僚が、物語に色を添えます。

