漫画の描き方を漫画で学べる『ヘタッピマンガ研究所R』 〜レジェンド本を学ぶ〜
2. 短編漫画として読む
『ヘタッピマンガ研究所R』の2つ目の読み方は、1冊の短編漫画として読むというものです。

▲ 村田雄介『ヘタッピマンガ研究所R』(集英社、2011年)p.6
実は『ヘタッピマンガ研究所R』は、仕事に嫌気がさして漫画家を目指すことにした漫画編集者サイトウが、彼の担当する漫画家ムラタに、漫画の描き方について教えを請うという設定で始まるんです。

▲ 村田雄介『ヘタッピマンガ研究所R』(集英社、2011年)p.7
編集者サイトウが徐々に漫画描くコツを掴んでいくまでのコメディ漫画としても成立しているので、短編漫画としても十分読みごたえがあります。
さらに、物語の後半は週刊少年ジャンプで連載していた数々の大物漫画家に教えを請いに行くという流れに。
さらに、物語の後半は週刊少年ジャンプで連載していた数々の大物漫画家に教えを請いに行くという流れに。

▲ 村田雄介『ヘタッピマンガ研究所R』(集英社、2011年)p.91/『トリコ』の島袋光年先生
ジャンプを読んでいる人はもちろん、漫画好きなら思わずニヤッとしてしまうような有名な漫画家さんが多数登場するので、次は誰が出てきてどんな話をするのか、ワクワクしながら読み進めることができます。

▲ 村田雄介『ヘタッピマンガ研究所R』(集英社、2011年)p.112/『HUNTERXHUNTER』の冨樫義博先生
「短くてサクッと面白い漫画を読みたい!」と思ったときにも、ぜひ手にとってもらいたい作品です。
3. 村田先生の画集として読む
3つ目は少し角度を変えた読み方。本書の中には、村田先生のいろいろなタッチの絵が掲載されているので、一種の画集としても読むことができるんです。
前述のとおり、村田先生以外の漫画家さんも多数登場する本書。もちろん、その漫画家さんたちの作品のキャラクターもたびたび登場します。
前述のとおり、村田先生以外の漫画家さんも多数登場する本書。もちろん、その漫画家さんたちの作品のキャラクターもたびたび登場します。

▲ 村田雄介『ヘタッピマンガ研究所R』(集英社、2011年)p.48/河下水希『いちご100%』
ご本人が描いたと見まごうような仕上がりなのですが、これらはすべて村田先生が本家に似せて描いているんです。その絵のうまさには本当に驚きます。

▲ 村田雄介『ヘタッピマンガ研究所R』(集英社、2011年)p.93/島袋光年『トリコ』
ちなみに村田先生は、2008年に週刊少年ジャンプが創刊40周年を迎えた際、歴代のジャンプキャラクター総勢180名が集合したイラストを手掛けています。ジャンプの40年間を彩ったさまざまな漫画家さんの絵のタッチをそれぞれ再現できる技術は、まさにジャンプお墨付き。

▲ 村田雄介『ヘタッピマンガ研究所R』(集英社、2011年)p.116/冨樫義博『HUNTERXHUNTER』
だからこそ、村田先生の漫画への愛と卓越した技術が楽しめる画集のひとつとしても、一見の価値があると思います。
漫画家を目指す人にも漫画を読むのが大好きな人にもすすめたい1冊
『ヘタッピマンガ研究所R』は、漫画家になりたい人はもちろん、漫画を読むのが好きな人、もっといろいろな側面から漫画を楽しみたいと思っている人に読んでもらいたい1冊です。まずは、気軽な気持ちで手にとってみるのがいいと思います。前作の『鳥山明のヘタッピマンガ研究所』もあわせて読んでみるのもいいかもしれません。
また、本書の中にpixivision読者やpixivユーザーをはじめ、イラストを描くのが好きな人に響くであろうメッセージがあったので、ここに紹介しておきます。
また、本書の中にpixivision読者やpixivユーザーをはじめ、イラストを描くのが好きな人に響くであろうメッセージがあったので、ここに紹介しておきます。

▲ 村田雄介『ヘタッピマンガ研究所R』(集英社、2011年)p.109
「持ち込みでも投稿でもなんでもイイから作品をドンドン見せた方がいいと思うんですけどね。(中略)最近さァ、十代の若い子とかでもHP見るとべらぼうに達者な絵描く人が沢山いるじゃないですか。HPで満足しないで、漫画の形にして持って来てきてくれりゃいいのにっていつも思うんですけどね」
(本書より引用、句読点は編集部記入)
本書を読んで「我こそは!」と思ったら、ジャンプ編集部に持ち込みチャレンジしてみるのもありでしょう。その際はぜひ「村田先生の『ヘタッピマンガ研究所R』を読んできました!」と伝えてみてください。
もしかしたら『ヘタッピマンガ研究所RR』を著すのは、将来のあなたかもしれませんよ。
もしかしたら『ヘタッピマンガ研究所RR』を著すのは、将来のあなたかもしれませんよ。