まさにソコがしりたかった!「香川 久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック」は戦う女の子のイロハが詰まった一冊

2017年5月、「香川 久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック」が玄光社MOOKより発売されました。アニメーターとして活躍されている、香川久さんと馬越嘉彦さんによる作画ノウハウやラフ集が詰まった贅沢な一冊です。
一部の方面の方ならばすぐにピンと来たかと思いますが、香川さんと馬越さんはそれぞれ『フレッシュプリキュア!』、『ハートキャッチプリキュア』のキャラクターデザインを担当されていた方々。すなわち、戦う女の子の描き方を参考するにあたってこれ以上ない参考資料ともいえるのです。

本誌には『フレッシュプリキュア!』と『ハートキャッチプリキュア』の作画集をはじめ、キャラクターの描き方の基本テクニックや、デザインバリエーションの提案、動きの表現などが実例作画とともに掲載されています(実例があるのが嬉しい)。例えば、手の表情の付け方として親指をどう描くかだとか、スカートの表現1つでおてんばさや華麗さを表現したりなど、ニッチすぎてどう調べればいいのかわからないような部分まで言及してくれているので、絵描きにとってはかなり参考になるはず。

綿やウールなど、素材の違いによる描き分けの参考。影の入り方なども参考になります。/ 香川 久・馬越嘉彦 『『香川 久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック』(玄光社MOOK、2017年)p.46
バトルヒロインという部分にフォーカスしているため、動きに関しての作例が豊富です。攻撃を回避した時は髪のなびき方や、体をひねる動きの時のシワの入れ方など、明日から実践できるテクニックも豊富。
本の性質上、アニメーションの原画や作画といったエッセンスも多分に含まれていますが、キメ絵の描き方や考え方などは一枚絵を描く際にも多いに参考になります。動きのある絵を描きたいと思っている人にとってはまさにクリティカルな内容でしょう。

スカートの動きでアクションを誇張する作例。ありそうでなかなか聞けない話です。/ 香川 久・馬越嘉彦 『『香川 久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック』(玄光社MOOK、2017年)p.136
また、オリジナルのバトルヒロインを実際にキャラクターデザインするセクションでは、香川さんと馬越さんによるキャラデザテクニックをふんだんに見ることができます。かなりマニアックな内容で、これだけでもかなり価値があると思いますよ。なにより、作例だけでなく思考スタイルまでテキストで注釈してくれているのがありがたい。「こう考えながら描けばいいんだ」と、新たなひらめきを与えてくれます。
いくつか発売されているプリキュアアニメーター画集とはかなり趣の異なる内容ですが、いわゆる「むしろソコが知りたかった!」的なニッチ要素が数多く掲載されています。プリキュアファンはもちろん、戦う女の子を描きたいという方にはぜひともオススメしたい一冊です。