【亜人ちゃんは語りたい】ペトス先生インタビュー【講談社まんがスカウトFes特集#2】

毎年恒例、講談社とpixivの漫画の祭典「講談社まんがスカウトFes」の第4回が今年も2月1日より開催中!
その開催を記念して、講談社で連載中の漫画家さん × pixivによるインタビューを全4回にわたってお届けします♪
第2回のゲストは、ヤングマガジン サードにて『亜人ちゃんは語りたい』を連載中のペトス先生です!今回のスカウトFesは「七つの題材」のうちからテーマを選び、漫画を描いて投稿する形式となっています。
その題材のひとつ「人外」がモチーフの作品を描くうえで、ペトス先生が意識していることを伺いました。
第2回のゲストは、ヤングマガジン サードにて『亜人ちゃんは語りたい』を連載中のペトス先生です!今回のスカウトFesは「七つの題材」のうちからテーマを選び、漫画を描いて投稿する形式となっています。
その題材のひとつ「人外」がモチーフの作品を描くうえで、ペトス先生が意識していることを伺いました。
『亜人ちゃん』はこの世で一番地味な「人外もの」
――今回は、まんがスカウトFesで募集しているテーマのひとつ「人外」を描くために、普段心がけていることなどをお聞きできればと思います!
よろしくお願いします! でも若干不安なのが、「人外」について話すのが僕、という人選は正しいのでしょうか?(笑)
――えっ!? 『亜人ちゃん』は「人外」モノでは‥‥?
いや、基本「人外」というとビジュアルが派手なイメージがありますが、『亜人ちゃんは語りたい』はかなり地味なので。舞台はごく普通の日常ですし、首が離れているマッチー以外のキャラは見た目がほとんど人間ですし(笑)。
――なるほど。確かに異色なまでに日常的な「人外」モノではありますね。
はい。もともと、角の生えた女の子とかが好きでマンガに描いていたんですが、ほとんどの作品が人外と人間が共存する日常を舞台にしていました。ファンタジー世界を舞台にしてしまうとなんでもアリになってしまって、人外と人間との「微妙な違いの面白さ」を描けない面があったので。
――まさに『亜人ちゃん』はそういう面白さにあふれていますね!
ありがとうございます。ただ『亜人ちゃん』がこういう内容になったのは、連載準備をしていた頃に人外を扱った作品がたくさんあったので、差別化したかったというのもあります。
「ウケるかどうかわからないけど、『この世で一番地味な人外もの』を描いてみよう」と。
見た目の派手さじゃなくて、性格や日常の中の細かな違いを楽しむ作品にしたいと思いました。


そのキャラクターは、本当にいる
――『亜人ちゃん』のキャラクターはどのように発想されたのでしょうか?
他の方はどうかはわからないんですが、僕の場合はまず実際にそのキャラクターがいる世界を想像します。ひかりちゃん達がいる世界を思い浮かべて、「ああ、本当にいるんだな」という生活感を大事にして描いています。そうすると、キャラクターが勝手に動いてくれるんですよね。
さらに何人か集まって会話しているところを想像するうちにイメージが広がって、今のみんなになっていった感じですね。
――頭の中でキャラクター達を会話させるってすごいですね!
実を言うと高校時代、通学に往復3時間もかかっていまして、その間によく「もしも普通の人と違うこんなキャラが実在したらどうなるだろう」というふうに妄想していたんです(笑)。図らずもその時に出来たネタのストックが、今、作品として実っているのかもしれません!
――なるほど(笑)。ストーリー作りについては何を重視されていますか?
とにかく自然な会話の流れを大切にしていますね。ストーリー上、唐突に別の話題に変わったり、場面転換したりすると、元の流れに戻ってくるまでにすごくページがかかってしまうんです。なので、連載当初から自然な流れを重視した展開を意識しています。
登場するキャラクター全員が主人公!
――1人1人のキャラクターについてお聞きしていきたいのですが、やはり最初に出来たキャラはバンパイアのひかりちゃんだったんですか?
もともとは、亜人に限らないオムニバス4コマの形式で連載を始める予定だったんですが、その中の1人がデュラハンのキャラだったんです。そこから「人外のキャラが集まる学園ものにしよう」というふうに広がっていきました。

▲デュラハン(首のない妖精)のマッチーこと町京子(まち きょうこ)。
――マッチーが最初だったんですか!
といっても、昔描いていたマンガのキャラなども作品には交じってるので、誰が最初かはおぼろげですが‥‥。連載準備の段階では、雪ちゃん以外の主要キャラは個別で考えていたのですが、そこからキャラクター同士にワイワイ話してもらい、性格の微調整をしていって、今のキャラが出来上がったという感じです。
雪ちゃんは序盤にドラマ上の山場があったぶん仲間入りが遅くなってしまったのですが、日常回が増えていくにつれてみんなと仲良くなっていってくれましたね。
雪ちゃんは序盤にドラマ上の山場があったぶん仲間入りが遅くなってしまったのですが、日常回が増えていくにつれてみんなと仲良くなっていってくれましたね。
――なるほど。他にサブのキャラクターですと、ひかりちゃんの妹・ひまりちゃんがとても印象的です。
ひまりちゃんが登場したのは第3話で、かなりの序盤だったんですが、これは「あくまで普通の家庭の中にバンパイアの高校生がいるんだ」ということを、早いうちに読む人に伝えたかったんです。「近所に大きな城が建っていてバンパイア一家が住んでいる」というふうな想像をされちゃうと困るので。そこを明確にしたくて、亜人ではない双子の妹や、お父さん・お母さんのキャラクターが出来上がっていきました。
――先ほどのお話にもあった、一般的な「亜人もの」との差別化ということですね。
普通の家族らしさを出したくてああいう一家になりましたが、すごくうまく回っていると思います。
『亜人ちゃんは語りたい』では、描きたいものがたくさんあって大変なんです。ひかりちゃんファミリーだけでマンガとして独り立ちできるくらいなのに、さらに同級生や、早紀絵先生までいて。
早紀絵先生なんかは、ちょっとあのメンバーの中で持て余しているかもしれない。登場させすぎると他のキャラが食われちゃうんですよね。単独で主人公にできるくらいの逸材です(笑)。

毎回ちゃんとオチがある、優しいマンガを描きたい
――最後に、「人外」というテーマに限らず、マンガで意識していることを教えてください。
実はやりたいことの9割は「毎回ちゃんとオチをつける」ということです! きっちりしたオチとか、言葉遊びとか、すごく好きなんです。でもその部分はなかなか評価されにくい‥‥(笑)。
そしてもう1つは、「優しいマンガにしたい」ということですね。若い世代の方々も読んでくださっているみたいですし、人に優しくなれるような心を育んでいただけるマンガにしたいです。 なるべくキレイな言葉遣いで、スラングなども使わないようにしています。親御さんにも安心していただけるように‥‥!
そしてもう1つは、「優しいマンガにしたい」ということですね。若い世代の方々も読んでくださっているみたいですし、人に優しくなれるような心を育んでいただけるマンガにしたいです。 なるべくキレイな言葉遣いで、スラングなども使わないようにしています。親御さんにも安心していただけるように‥‥!
――『亜人ちゃん』は間違いなく読んでいて優しい気持ちになれるマンガだと思います。ペトス先生、本日はありがとうございました!

「講談社スカウトFes#4」今年も開催中!3月31日まで!