【ジーンピクシブ】必殺技をつくる!〜「月下ノ外レ外道」沙雪流〜


○『月下ノ外レ外道』とは?
全てが漆黒に染まる、夜。月影に浮かぶ、異形の化物“外道”。
外道に対峙するは、異能力“六道輪廻の門”を操る組織“六道”。
主人公・五六七は、人間に外道の力を背負うこととなり、
妹を救うために六道に所属し、外道として外道と戦い続ける——。
○作家さんからご挨拶
○キャラクター、世界観をつくる
外道という烏の化物に支配された世界で、鬼にされた妹を救うために主人公の五六七が外道へ戦いを挑みます。
初めは「六道」という漠然としたテーマから、六道に関係するワードを関連付けて話を練っていきました。
そうして六道と対を成す外道という存在に目をつけ、「敵は外道」「味方は六道」と位置づけ、さらに「敵である外道を味方側にもっていこう!」ということで主人公ができあがりました。
六道側の人数を団体として多くしたため、これで主人公とその他の差別化ができました。
キャラの立ち位置を決めたことで、ビジュアルに使えそうなアイテムを絞ることができ、何パターンか出して選考した後、主人公像が完成しました。
他のキャラもおよそ同様です。
主人公初期ラフ
初期イラストラフ
○キャラクターに必殺技をつくる
キャラクターをつくった段階で、持たせていたアイテムや特徴から「武器」をつくります。
主人公の場合、外道(=天狗)から風・炎といった具合です。
主人公の操る「風」という武器は形のない存在のためアレンジがとてもききます。
そこに「風」に用途別の効果をもたせることで「必殺技」となりました。
現在主人公が使っている必殺技は「青嵐」と「業風」です。「青嵐」は中距離の放出型竜巻、「業風」は身に纏うことで打撃力を上げます。
このようにしてできた必殺技ですが、まだまだ増えていく予定です。
技名は風の名前をつけるとした段階で響きで決めました。既存に種類のある名前を使うことでまだまだ増えていくであろう期待感をもたせる意味合いもあります。
青嵐(左) 業風(右)
○実際のバトルで使う
「青嵐」と「業風」はわかりやすく用途が分かれるため、演出として使い分けしやすいです。離れた相手には「青嵐」、近い相手には「業風」といった感じです。
一概には言えませんが、「業風」は近距離で迫力を出して使いたいときに、「青嵐」は「迫力」より「状況」を伝えたいときに遠距離から。
そこは話の流れでどちらが効果的に見えるかを考え、さらにアングル・構図を演出します。
初期ネーム
修正ネーム ※見開きで再構成
完成原稿 ※技名は修正前
○最後に
実のある話になったかはわかりませんが、以上が私の場合での必殺技を使うまでの流れになります。
こうして出来上がった漫画「月下ノ外レ外道」ですが、今の私のありったけを詰め込んだ王道漫画になっています。
王道漫画として、必殺技ひとつにもあれこれ考えを巡らして生み出していることを知っていただけると幸いです。
よろしければ是非、お手にとって一読してみてください。よろしくお願いします。

主人公初期ラフ