【注目の小説6選】世界終わりの最後の授業　他

生まれつき人とは違う能力を持ち、宙を自在に駆け回れる主人公。ある夜、ビルの非常階段から落下する男性を発見し、危機一髪のところで救い出す。どこかで見たことのあるその男性は、なんと同じアパートの隣人であった。

高校の写真部に所属する主人公は、軽装で森の奥へ向かおうとする怪しげな男性を発見する。思わず声をかけると、男性は自分の死ぬ瞬間を写真におさめてほしいと頼んできた。人の死の瞬間を目撃した主人公の告白と──。

世界の終わりを目前にして、数学教師の澄山は普段通り学校へ来ていた。生徒はおろか先生の姿もまばらな中で、最後の授業を執り行う。切なさの中に一筋の明るい絶望が見える作品でした。

大学時代にお世話になっていた恩師の元を訪ねた「私」。近況を報告した後で、その恩師からあるアドバイスを受けることになる。「私」と恩師2人の、弱いけれどそれ故に強い紐帯が描かれた作品でした。

一人の子を持つ父親になってもサンタクロースを信じ続ける公輔。妻の度重なるサンタはいないという説得に、彼はある計画をたてた。

日課である朝の散歩をしていた主人公は、河原で全身ずぶ濡れになった友人の遺体を見つける。側にあった遺書から警察は自殺と判断するが、主人公の脳裏にはある人物の存在が浮上する。