不安や楽しさも正直に聞いた!「pixivリクエスト」をしらたまさんが使ってみた

pixivで9月にリリースされた「pixivリクエスト」はもう使いましたか?
pixivリクエストとは目安の金額を設定し、ファンからのリクエストを募集できるpixivの機能です。クリエイターは受けたリクエストを公開し、みんなから「相乗り」を募集することもできます。ファンはリクエストの内容に共感したとき、「相乗り」を使って同じ金額を上乗せし、クリエイターの活動を応援できます。
本日は、pixivリクエストを体験した、作家・しらたまさんにメールインタビューを実施! 使う前は不安だったことから、実際にやってみた感想まで、お話をたっぷりと伺いました。これからリクエストを募集してみたい作家さんや、リクエストを送ってみたいファンの方も必見です!
不安を打ち消した「楽しもう」という気持ち
── 「pixivリクエスト」がリリースされると聞いたとき、どんなことを感じられたか率直な感想を教えてください。

こういったサービスに元々興味はあったのですが、なかなか使ってみる機会がありませんでした。単純に忙しいからというのもあるのですが、リクエストをしてくださっている方は普段のお仕事や同人の「ちゃんと描いた」イラストのクオリティを想定してくださっていると思うので、投稿したものに満足してもらえるか、また金額面でも納得感のあるものがお届けできるかに不安がありました。
でもこのサービスでとくに私がいいなと感じたのは、本機能が「仕事ではなくクリエイターとファンで創作活動をもっと楽しくする場所」とされている点です。もちろんお金の発生することなので甘くとらえてはいけないことですが、このあたりをやわらかいニュアンスにしてもらえているおかげで「肩肘張らずこの機能を楽しもう」という気持ちになれました。


また機能のひとつである「相乗り」に関しても、共感を伝えたい・応援したいと思ってくださった方へのひとつの方法として設けられているところがとてもありがたいなと思いました。
── 公式リクエストや、相乗り機能を実際に使ってみた感想はいかがでしたか?

相乗り機能について、(どんなふうに活用したら良いのか)最初はぴんと来ないところもありました……!
実際、相乗りすることが「元の依頼者様への失礼になるのでは……?」というように気を遣ってくださった方もいらっしゃって、相乗り募集の告知をしてもよいか難しいと感じたこともありました。
ただ個人的には相乗りしていただけるととても嬉しいです! リクエストのイラストはお仕事の原稿料よりも低めに設定しているので、相乗りで金額が集まった分、クオリティを高めてお返ししていきたいです。
── 完成したイラストの反響はいかがでしたか。

気に入ってもらえたことが何よりよかったですね。依頼者様はもちろん、相乗りしてくださった方からも「相乗りしてよかった!」と言ってもらえて本当に嬉しかったです! また喜んでもらいたい、という気持ちになれました。
── 公式リクエスト以外にも、しらたまさんはリクエストを積極的に使っていらっしゃいますよね。他には、どんな内容のリクエストが来ましたか?

私自身も、どんなリクエストがくるかを1番楽しみにしており、いろいろな種類のリクエストがありました! 私のオリジナルキャラクターの希望もありましたが、どちらかというと依頼者様のオリジナルキャラクターを描くリクエストが多かったです。
また海外の方からかな?と思われるリクエストもたくさんいただきました。── しらたまさんは、どんなリクエスト内容を受けやすいですか?

個人的にはざっくりした内容や、私のオリジナルキャラクターだと描きやすいですね。リテイクがないとはいえ、どうしても依頼者様のオリジナルキャラクターで細かい指定やこだわりのあるものだと、イメージと相違がないようにかなり気を遣いますし……!
また、他の方にも同じリクエストを送っているのかな?と思うリクエストよりは、「しらたまにリクエストしたい」という内容は嬉しいですし、優先して描きたくなりますね!
── 確かに「どうしてもこの作家さんに描いて欲しい」という思いや熱意って、響きますよね。

そうですね! そういった意味でも私のオリジナルキャラクターだとお引き受けしやすいかなと思います。もちろん私個人の場合なので、普段描かないジャンルや、依頼者様のオリジナル設定を描いてみたいというクリエイターさんもいると思います!
仕事絵でないから、途中経過も一緒に楽しめる
── しらたまさんは、リクエスト作品の制作過程をYouTubeでも配信されていましたね!

ちょうど9月下旬からYouTubeで生配信をはじめて、「イラストメイキング配信をやってほしい!」と言ってもらったのがきっかけで。お仕事の作業だと配信で作品を公開することはなかなかできないですが、リクエストでは見せられるので配信とぴったりだと思いました。
── 確かに、リクエストだからこそできる活用法ですね。 配信でどんな反響がありましたか?

配信を通じてpixivリクエスト自体を知ってもらうきっかけに少しはなったかなと思いましたし、相乗りをしてくださる方も増えてモチベーションにつながりました。
私は依頼者様と相乗りしてくださった方へのギフトファイルとして、描かせていただいたイラストのPSDデータ(元データ)をお送りしているのですが、どうやってできたかわかるように制作段階ごとになるべくファイルを分け、レイヤーもできるだけバラのままにしています。
なので配信のアーカイブを見ながらファイルを開いてもらって、制作過程も合わせて2度楽しんでもらえるよう工夫しています。


── しらたまさんのファンはもちろん、絵を描く方にとっても貴重な体験ができそうですね。

── もし次回リクエストを受ける際、試してみたいことはありますか?

これからもリクエストで描かせていただくイラストに関しては、できるだけ配信やアーカイブで工程を残していきたいです。
あとギフトファイル内で、すでに簡易的な説明書のテキストファイルもお送りしているのですが、そのイラストを描いたうえでこだわった点や難しかった点などちょっとした感想も今後は入れたいなと思いました。
これからリクエストを使う方に向けて
── 憧れの作家さんへリクエストを送るのは緊張する・どんな内容を送ったらいいのか悩む、という方へアドバイスはありますか?

う~~~ん、これは作家さんによるので難しいですが、まずはその作家さんの引き受けているリクエストの傾向を見ながら内容をお伝えするといいんじゃないかなと思います。
私の場合、あまりに(指定が)細かいと、気持ち的にリクエストを受けるハードルが上がってしまうのですが、そうでない作家さんもいると思います。個人的にはみなさんがどんなものを描いてほしいと思ってくださっているのかを知れるので、作家としてリクエストをもらえるのはとっても嬉しいです!
── リクエストをこれからはじめようと思う作家さんへアドバイスはありますか?

リクエストのおかげで、自分一人だけで考えていたらひらめかなかったアイディアも生まれたので、まずはファンの方々がどんなものを求めているのか知るという目的で気軽に募集してみるのもいいんじゃないかなと……!
私はお仕事以外に同人活動も行っており、リクエストを募集すると制作時間がとれるのかが1番不安でした。ですがリクエストで完成した作品の権利はクリエイターに帰属すると知って、自分の同人活動にも使用させていただいても問題なく、並行できるところがありがたかったです。
作品に対する責任感から迷っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、pixivリクエストはお仕事ではなく「クリエイターとファンで創作活動をもっと楽しくする場所」なので、楽しむ気持ちを忘れず取り組むことが大切かなと思います。
私も無理なく楽しく利用していきたいです!
── 本日はありがとうございました!
相乗りとは