「かわいい」の大洪水!『うちのトイプードルがアイドルすぎる。』に癒やされよう

文/ひらりさ
1月ももう中旬。年末年始の休暇モードが抜けずに、仕事や授業が始まってバタバタしている人も多いのではないでしょうか。
「ちょっと一息つきたい!」「なんでもいいから癒やされたい!」という方におすすめなのが、今回ご紹介する『うちのトイプーがアイドルすぎる。』(道雪葵)。トイプー……トイプードルとともに暮らす家族の生活を、とてつもなく愛らしい絵柄で描いたコミックエッセイです。
10年以上前のある日、道雪さんの家にやってきたトイプードルのクーさん。もともと動物が得意というわけではなかった道雪さんにとって、小さいころのクーさんは「悪魔のような仔犬」。犬嫌いの道雪さんと、人間嫌いのクーさんはとても相性が悪く、顔をあわせると険悪なムードになっていました。

しかし……一緒に暮らすうちに、二人の関係は少しずつ縮まっていきます。気がつくと、お尻をすりつけてくるようになってきたクーさん。「どけってこと?」とネガティブにとらえていた道雪さんでしたが、お母さんから「犬がお尻をくっつけてくるのはね 君を信頼しているよってことなんだって」と教えてもらいます。か……かわいすぎる!!

こうしてクーさんに陥落した道雪さんが、クーとの交流をとおして気づいた、こまかな「トイプーあるある」を詰め込んだのが『うちのトイプーがアイドルすぎる。』なのです。

本作を通じてひたすら最高なのが、ページ中を縦横無尽に駆け回るクーさんの愛らしさ。ふわっふわとまるっこく描かれたクーさんは、道雪さんや家族たちに、いつだって全力で向かってきます。本当にかわいい。
病気で寝込んでいると心配してくっつきに来てくれたり、家に帰るだけでものすごい勢いで顔をペロペロとなめに来たり……。ページをめくるごとに「かわいい!」と叫びたくなってしまいます。


漫画家としての観察眼と、クーさんに対するMAXの愛情を有している道雪さんだからこそ描けるディテールに「萌え」が詰まっているのです。
自分を「アイドル」だと心得ているクーさんが、家庭内にとどまらずに街中で老若男女を巧みに手なずけて思いどおりに操る様子も、作品の見どころ。「こいつあざといな……!」「飼い主の私も全力でこたえよう」などと、クーさんのアイドルテクニックにツッコミを入れたり、応援してあげたりしている道雪さんの声もいちいちおもしろく、ギャグマンガとしての切れ味も抜群です。

たまった疲れをさっぱり落として「今年もがんばるぞ〜!」とゆるく気合を入れるのに、ぴったりな1冊です。