わんにゃんぷーさん「うごイラ」メイキング&インタビュー! 妥協を許さない職人気質クリエイターのこだわりとは
創作の原点となったのは『ハガレン』と『コナン』
── イラストや漫画、動画制作と多岐にわたって活躍されているわんにゃんぷーさんですが、創作を始めたきっかけはなんだったんですか?
小さいころから家の中でお絵描きをするのが好きで。幼稚園生のころにはその延長で漫画を描くようになりました。そしてそのまま、漫画やアニメの世界にハマっていって今に至ります。
── どんな作品が好きですか?
たくさんありますが、よく真似をして描いていたのは『鋼の錬金術師』と『名探偵コナン』ですね。この2作品はひたすら模写をしていました。

▲ 荒川弘『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス、2002年)
自分の絵柄でキャラクターを描くのではなく、元の絵を見ながらひたすら似せられるように描き続けていました。どうしてそこまで熱心にやっていたのかは自分でもよくわからないんですけど(笑)
── そこから、本格的に絵を描くようになったんですよね。
高校生のころ、アルバイトでもらった初めてのお給料でスキャナー付のプリント複合機とペンタブレットを買ったんです。それが本格的に絵を描き始めたきっかけでした。
でもはじめは、ペンタブレットできれいな線を描くことができなくて。紙に描いた線画をスキャンして、色塗りだけPC上で行っていました。それまでずっと紙とペンで描いていたので……。
試行錯誤しているうちにペンタブレットの使い方をなんとか覚えて、徐々に線画からデジタルで執筆するようになったんですが、完全に移行するまでにはかなり時間がかかりましたね。
でもはじめは、ペンタブレットできれいな線を描くことができなくて。紙に描いた線画をスキャンして、色塗りだけPC上で行っていました。それまでずっと紙とペンで描いていたので……。
試行錯誤しているうちにペンタブレットの使い方をなんとか覚えて、徐々に線画からデジタルで執筆するようになったんですが、完全に移行するまでにはかなり時間がかかりましたね。
最初から最後まですべて自分の手でやりたい
── 動画制作はどんなきっかけで始めたんですか?
実は私、いわゆる一枚絵のイラストが苦手で……。うまい人の作品を見ると、「ああ、私には無理だ」と思ってしまって。でも、漫画は、読むのも描くのも大好きだったから「私が自分の思いを表現するには漫画しかない!」と。
そんなときに、通っていた学校の授業でアニメーションを制作する機会があったんです。単位制の総合学科の学校だったので、授業を好きに選べたんですよ。
私は美術系の授業ばかり取っていたんですが、その中で「FLASH」を扱う授業があって。そこで簡易的なアニメーションを作ったんです。
そうしたら、担当の先生がとても褒めてくれて。しかも「学校のサイトに載せていい?」なんて言ってくれたんですよ!
やっぱり褒められたのがうれしかったし、キャラクターを動かすという点では漫画と通じる部分もあって、そこから動画制作にのめりこんでいきました。
そんなときに、通っていた学校の授業でアニメーションを制作する機会があったんです。単位制の総合学科の学校だったので、授業を好きに選べたんですよ。
私は美術系の授業ばかり取っていたんですが、その中で「FLASH」を扱う授業があって。そこで簡易的なアニメーションを作ったんです。
そうしたら、担当の先生がとても褒めてくれて。しかも「学校のサイトに載せていい?」なんて言ってくれたんですよ!
やっぱり褒められたのがうれしかったし、キャラクターを動かすという点では漫画と通じる部分もあって、そこから動画制作にのめりこんでいきました。
── そこからどうやって勉強したんですか?
基本的にはほぼ独学です。アニメーション制作に関する資料は、本やネットで調べました。
はじめはアニメーターになりたくて専門学校に通おうと思っていたんです。体験入学をしたときに、講師の方が「よく描けているね」って褒めてくれて。「これはイケるかも」と思いました(笑)
ただ、アニメーターになっちゃうと、結局一部分のカットしか描けないじゃないですか。私は、最初から最後まで全部自分でやりたい人なんです。「この作品は私が携わった」だと、ちょっと寂しい。やっぱり「この作品は私が作りました」って言いたい! もちろん仕事としてやろうとしたらそれは難しいとわかっていたので、趣味で動画を作って公開するようになりました。
はじめはアニメーターになりたくて専門学校に通おうと思っていたんです。体験入学をしたときに、講師の方が「よく描けているね」って褒めてくれて。「これはイケるかも」と思いました(笑)
ただ、アニメーターになっちゃうと、結局一部分のカットしか描けないじゃないですか。私は、最初から最後まで全部自分でやりたい人なんです。「この作品は私が携わった」だと、ちょっと寂しい。やっぱり「この作品は私が作りました」って言いたい! もちろん仕事としてやろうとしたらそれは難しいとわかっていたので、趣味で動画を作って公開するようになりました。
── アニメーション制作ではどのようなツールを使用されていますか?
今は「RETAS STUDIO」で制作をしています。編集のときに「After Effects」を使用することもありますが、メインは「RETAS STUDIO」です。後継の「CLIP STUDIO PAINT」もリリースされていますが、自分としては「RETAS STUDIO」の方が使いやすいですね。
実は、動画を公開しはじめたころは「FLASH」を使用していたんです。ただ、どうしてもできることが限られてしまうので「RETAS STUDIO」に切り替えました。
実は、動画を公開しはじめたころは「FLASH」を使用していたんです。ただ、どうしてもできることが限られてしまうので「RETAS STUDIO」に切り替えました。
▲ わんにゃんぷー『【手描き】カゲロウデイズ【自己解釈PV】』 わんにゃんぷーさんが「FLASH」で制作した初期の動画
できることが増えたのはうれしいんですが、逆に”アラ”が目立つようになってしまって……。いくら描いても終わらないんですよ(笑) だから、制作期間がどんどん延びてしまうのが目下の悩みです。
ひとりでやっていると、結局手を動かすのは自分だからいくらでもカットを増やせるじゃないですか。そうやってカット割りをしていくと、最後にはものすごい量になっていて……。友だちから「さすがに多すぎじゃない?」って、あきれられることも多いです。
ひとりでやっていると、結局手を動かすのは自分だからいくらでもカットを増やせるじゃないですか。そうやってカット割りをしていくと、最後にはものすごい量になっていて……。友だちから「さすがに多すぎじゃない?」って、あきれられることも多いです。
自分のキャラクターが動き出す感動を知ってほしい
── わんにゃんぷーさんが思う、漫画やイラストとは違ったアニメーションの魅力とはなんでしょう?
自分が描いたキャラクターを思い通りに動かせることですかね。やっぱり動いていると”生きてる”って感じがするんです。
もちろん漫画は台詞やオノマトペでさまざまな表現ができるし、イラストは色合いや手法で世界観を表現することができます。でも、”動く”のはアニメだけ。
一コマひとコマ、自分が描いたキャラクターが、まるで生きているように泣いたり笑ったりする。しかもそれが自分の力だけでできるんです。
いやもう本当に、自分のキャラクターが動いているだけでかなりテンションは上がるし、なにより自分のキャラクターをもっと好きになります。
実は『殺伐シェアライフ』を描いているときも、「ここのシーン、動かしたい!」ってよく思ってるんです(笑)
大好きなキャラクターの動作を自分で作って、彼らが生きているように動きだしたときの感動はやってみないとわかりません。簡単なものからでかまわないので、ぜひチャレンジしてほしいですね。
もちろん漫画は台詞やオノマトペでさまざまな表現ができるし、イラストは色合いや手法で世界観を表現することができます。でも、”動く”のはアニメだけ。
一コマひとコマ、自分が描いたキャラクターが、まるで生きているように泣いたり笑ったりする。しかもそれが自分の力だけでできるんです。
いやもう本当に、自分のキャラクターが動いているだけでかなりテンションは上がるし、なにより自分のキャラクターをもっと好きになります。
実は『殺伐シェアライフ』を描いているときも、「ここのシーン、動かしたい!」ってよく思ってるんです(笑)
大好きなキャラクターの動作を自分で作って、彼らが生きているように動きだしたときの感動はやってみないとわかりません。簡単なものからでかまわないので、ぜひチャレンジしてほしいですね。
── これからアニメーション制作や「うごイラ」に挑戦してみようという人にアドバイスをお願いします。
一枚一枚ていねいに描くことはとても大切です。コピペで済ませる人もいるようですが、それではどうしても不自然な動きになってしまいます。単純な動作でも、手を抜かずにきちんと一枚一枚線を引き直せば、必ずきれいなアニメーションになります。
▲ わんにゃんぷー『【手描き】飴と鎖【ショートPV+α】』 わんにゃんぷーさんの最新動画
それに、うまくいかない場合でもていねいに描いていれば、おかしい部分や間違っている部分に気付けます。でもていねいに描いていないと、おかしい部分があっても、違和感すら抱かないままよしとしてしまうかもしれません。
アニメーションはただ動けばいいというわけではなく、こだわりをもってきれいに動かそうと思ってほしいです。だって、自分のキャラクターを思い通りに動かすことができるんですよ。素敵に動いてほしいじゃないですか。
アニメーションはただ動けばいいというわけではなく、こだわりをもってきれいに動かそうと思ってほしいです。だって、自分のキャラクターを思い通りに動かすことができるんですよ。素敵に動いてほしいじゃないですか。