台湾出身イラストレーターHitenインタビュー「生まれた場所以外で活動したいなら考えるべきこと」

構成/原田イチボ@HEW
イラストレーターのHiten(ひてん)さんの初個展「Claire」が2021年10月22日(金)~11月10日(水)、東京・表参道にある「pixiv WAEN GALLERY」にて開催中です。商業イラストを含む約70点の作品に加えて、「Claire(澄んで明るいこと)」というタイトルにふさわしく、透明素材を用いた展示もあります。

Hitenさんは台湾出身で、商業イラストレーターになるべく来日したという経歴の持ち主です。海外でクリエイターとして活動する上で必要なこととは? また、繊細な光の表現の秘訣についてもお伺いしました。
SNSで「発信力」を持っているなら、住む場所が変わっても安心
── Hitenさんが商業イラストレーターになるまでを教えてください。

── 依頼を受けた当時はまだ台湾在住でしたか?

はい。イラストは趣味として描きながら、プログラミングを勉強して大学院まで進みました。ただ、「やっぱり自分は絵を描くほうが楽しい」と気づき、大学院を中退して日本に来ました。現在で4年目です。冷静に考えると日本に行くというのはかなり大きな決断ですが、当時は根拠のない自信があったんですよね(笑)。今マネージャーをしてくれている方に誘われて、日本行きを決めました。
── 海外で活動することにあこがれるクリエイター志望の方も多いと思います。そういった方々に向けて、Hitenさんからアドバイスはありますか? もしも「自分も日本に行って仕事をしたい」と相談されたら、どう答えますか?

まずひとつ伝えたいのが、「活動の選択肢はいろいろある」ということです。日本で仕事をするためには、日本で暮らすことが絶対に必要なわけでもありません。僕は生活も含めて日本が好きだったので日本に来ましたが、現代はメールで十分ビジネスのやりとりができますからね。だからじっくり考えてみてほしいですが、「発信力」は大きな判断要素になるのではないでしょうか。
今はどんな仕事においても、SNSの発信力が大事です。もともと大勢のファンを抱えているなら、住む場所が変わっても安心でしょう。その上で「どこにいても良い作品づくりを続けられる自信があるなら、生まれたのと違う地域に住んで活動してもいいんじゃないか」とアドバイスすると思います。
カメラの勉強をしたことで、イラストの描き方が変わった
── Hitenさんが使われているソフトや機材を教えてください。

── Hitenさんのイラストは、繊細なライティングが印象的です。独特の光の表現はどのように学んだのでしょうか?

── 人物以外を少しボカシて描いていることもありますよね。それも写真で学んだことですか?

── リアルを理解したからこそ、イラストを描くときに迷うようになった部分はありませんか? 「現実だと、ここはもっと暗く見えるはずなんだよな」みたいな……。

キャラの魅力を引き出すために背景を重視する
── イラストを制作する上でどんなものを参考にしていますか?


緋色の心「絵師100人展 10」(2020年8月) © 産経新聞社/Hiten
── Hitenさんのイラストは美少女キャラだけではなく、背景の緻密さにもこだわりを感じます。

── ラフの時点で完成までのイメージがきっちり固まっていますか? それともラフから変更を加えることが多いですか?

── 1枚のイラストにつき、制作時間はどのくらいですか?

── アイデア面で悩んだときはどうしますか?

── キャラクターの服装で悩んでいるイラストレーターは多そうです。ファッションで意識していることはありますか?

自分の絵はポートレートを意識しているので、服装においても「現実感のあるファッション」というのを意識しています。だからインターネットやファッション誌などで流行のアイテムをチェックするようにはしています。たまにフリルいっぱいの、いかにも美少女キャラという感じの服も描きたくなっちゃうんですけどね(笑)。
── 現実でオシャレな服装と、イラスト映えする服装はまた違うかと思います。そのバランスはどのようにとっていますか?

女性キャラの瞳は、海をイメージして描く
── 作業で特にこだわっている部分はどこですか?

── Hitenさんの描く女の子は、瞳が印象的ですね。

── 塗りで意識していることは何でしょうか?

── Hitenさんのイラストは、淡い塗りと、主線をはっきり見せるようなパキッとした塗りの2種類がありますよね。どのように使い分けているんですか?

── どの作品も色使いがとてもキレイですが、1色1色を抜き出して見ると、それほど鮮やかな色を使っているわけではありませんね。

── なるほど。華やかだけど上品な仕上がりの秘訣は、そこにあったんですね。
趣味全開なオリジナルキャラクター・橋本紗奈
── イラストのコンセプトはどんなふうに決めていますか?

── 初個展「Claire」のメインビジュアルはどのように生まれましたか?

去年作った同人誌『#SANAtion』は、全てのイラストがひとりのオリジナルキャラをモデルにしていて「デート」がコンセプトでした。なので、今回のメインビジュアルもその子をモデルにして、シチュエーションはデートにしようと考えました。デートの場所として「水族館がいいな」となって生まれたのが、この作品です。

── 女の子の手元にいろいろ想像がふくらむイラストですね……! こういうポートレートっぽいイラストを描いていると、オリキャラの捉え方も「よくお願いするモデルさん」みたいな感じになりそうですね。

── キャラクターの設定を最初からばっちり決めるというよりは、まず見た目ありきで、あとから内面がついてくる感じなんですね。この女の子はどんな設定なんですか?

── 個展のタイトル「Claire」はフランス語で「澄んで明るいこと」といった意味がありますが、Hitenさんが决めたそうですね。

── 個展の見どころを教えてください。

── イラストレーターとして今後の展望を教えてください。

Hiten初個展「Claire」開催中!
pixivとツインプラネットが共同運営するギャラリー「pixiv WAEN GALLERY by TWINPLANET × pixiv」にて、Hitenさんの初個展「Claire」開催中です。
Hitenさんがこれまで手掛けたイラスト約70点を展示します。Hitenさん監修によるアクリルアートは、透明感あふれるイラストと透明素材がマッチした美しい作品です。ぜひ会場にてご覧ください。
開催期間:10月22日(金)~11月10日(水)
定休日:なし
入場無料
所在地:東京都渋谷区神宮前5-46-1 TWIN PLANET South BLDG. 1F
営業時間:12:00~19:00
※混雑時は整理券対応をさせていただく可能性がございます。あらかじめご了承ください。
※新型コロナウイルスへの対策について
Hiten個展「Claire」について、現時点では11月10日(水)までの開催を予定しております。今後も状況を注視しながら対応を進めてまいりますが、新型コロナウイルスの感染状況により、開催期間に変更が生じる場合がございます。販売商品や来店方法等を含め、運営状況については、随時pixiv WAEN GALLERY公式HP、公式Twitterにてお知らせさせて頂きます。何卒ご理解賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。