現金いらずでスムーズ決済! 日本初のキャッシュレス同人即売会「pixiv MARKET」完全レポート

取材/三浦 一紀 編集/佐久間 仁美
「1000円札と500円玉をたくさん用意する」「現金の盗難が心配」「頒布品の値段はキリのいい数字じゃないと効率が悪い」などの『同人即売会あるある』が、大きく変わる日が近づいているのかもしれません。
2018年6月10日(日)、ピクシブは同人即売会「pixiv MARKET」をサンシャインシティ文化会館ビル4F展示ホールBにて開催しました。

このイベントの最大の特徴は「pixiv PAY」というスマホアプリによる決済システムを使い、完全にキャッシュレスであること。サークル参加者も一般参加者も、現金を用意する必要がありません。
この日本初のキャッシュレス同人即売会「pixiv MARKET」を完全レポート! 現金が消えた同人即売会ってどんな様子なの!? という気になる当日の様子から、本イベントにて開催されたドローイングのライブ配信や出展ブースの様子まで、まとめてお届けします!
現金は「厳禁」! 財布いらずのスマホ決済
「pixiv MARKET」は、オールジャンルの同人即売会です。今回はサークル参加者、一般参加者ともに出展費や入場費は無料で、唯一の参加条件は 電子決済アプリpixiv PAYを使用すること。現金の取り扱いは一切禁止です。

イベントは正午からスタート。午前中の会場では、サークル参加者による設営が行われていました。今回は抽選で選ばれた300のサークルが参加し、オールジャンルならではの華やかな作品が所狭しと並べられていきます。

午前11時30分、会場の外には入場を待つ一般参加者の姿が。天候はあいにくの雨模様でしたが、たくさんの方が長い待機列に並んでいました。
いざ、pixiv MARKET開場!


気になる、キャッシュレスな同人即売会の様子は

開場後、人気サークルには長蛇の列が形成されていました。しかし、特に混乱も起こらず整然とした印象。このような同人即売会に慣れている参加者が多く、スマホに慣れた世代にとってはアプリでの買い物をスムーズに行えたところが大きかったのかもしれません。
pixiv PAYはサークル参加者、一般参加者ともにメリットの大きいキャッシュレス決済システムだと感じました。使い方はとっても簡単。まずは購入する側について解説します。
購入するのが意外と簡単
まずはpixiv PAYアプリをスマホにインストールしておき、クレジットカードを登録、またはコンビニ決済により事前にポイントを入金しておきます。これで準備は完了。
あとは商品購入の際に、アプリを支払いモードにして

サークル参加者が差し出したスマホに表示されているQRコードをカメラで読み取るだけ。アプリに通知が表示されれば買い物は完了です。

出展する人にもメリットがたくさん!

サークル参加者側がpixiv PAYを利用する場合は、まずpixiv PAYアプリで商品登録を行っておきます。準備はこれだけ。あとは販売時に商品を選択してQRコードを表示し、それを購入者にスキャンしてもらえばOKです。

▲ パンフレットに掲載されていた、寺田てら先生による「pixiv PAYご利用ガイド」マンガの一部。今後は取り置き機能など、様々な機能も追加を予定しているとのこと。
今回、pixiv MARKETのイメージイラストを担当した上倉エクさんに、pixiv PAYの使い心地についてお話を伺いしました。
「慣れると決済がすごく早く済むので、もっといろいろなイベントで使えればいいなと思いました。お客さんがpixiv PAYに慣れていなくてもこちらが教えてあげればすぐに使えるのもいいところですね」
そのほか、売り子さんとレジを共有する「アシスタント機能」も便利だったとのこと。自分がサークルにいなくても安心してお手伝いを頼めるのも便利ですね。また、上倉エクさんに今回のイラストについてもお話を伺いました。
「pixivさんにはブルーというイメージがあるので、ブルーを基調にしています。キャラクターのうさぎは“pixiv”という文字列がうさぎに見えると言われているので、そのイメージからです。」
ちなみに、このキャラクター「ぺいたん」は2日で描き上げたというので驚きです。パンフレットやパネルをはじめ、会場のあちこちで見られました。

個人サークル以外の出展ブースもご紹介
会場では、同人販売エリアのほかにも、さまざまなブースがありました。

会場後方にあるのが「pixiv Sketch」のブース。こちらでは、日々のお絵描きを手軽に共有できるプラットフォーム「pixiv Sketch」の体験ができます。訪れた方が思い思いのイラストを描き、線画に自動着色できる機能を試す姿も見受けられました。

講談社とpixivが共同で運営するマンガアプリ「Palcy(パルシィ)」もブースを出展。こちらでは、自分の作品を持ち込んで、編集者さんから直接アドバイスをもらうことができます。ここから未来の人気マンガ家さんが生まれるかも?

その隣にはグッズ製作サービスの「pixivFACTORY」のブースがあります。画像1枚から作れる各種グッズのサンプルが展示されていました。

サプライズも!? 人気イラストレーターがドローイング生配信に挑む「pixiv ONE」


MCには声優でありマンガ家である徳井青空さん、解説にはイラストレーターのrefeiaさん、そして今回ドローイングを行ったイラストレーターは、米山舞さんと望月けいさんです!

1時間でテーマに沿ったイラストを描き上げるという、イラストレーターさんにとってはかなりハードな企画ですが、イラスト作成の様子を実際に見られるのは、視聴者にとってはなかなか貴重なイベントです。ブースの前には多くの人が集まり、鮮やかなテクニックが披露されるたびに会場からも歓声が起こっていました。おふたりがイベントへの意気込みを語った事前インタビューは、こちらからチェックできます!
ちなみに、今回のテーマは「雨」。イベント当日が雨模様だったので、タイムリーなテーマとなりました。

また、放送中には当日サークル参加していたredjuiceさんをはじめ、佃煮のりおさん・岸田メルさんなど、イラストレーターやマンガ家の方々が、サプライズでかわるがわる登場。徳井さんやrefeiaさんと、軽快なトークを繰り広げて会場を大いに湧かせていました。
そしてあっという間に制限時間が迫り、米山舞さんは雨の日のガラスの質感が見事な叙情的なイラストを、望月けいさんはレインコートと傘を巧みに使ったポップなイラストを描ききってフィニッシュ! 1時間という短い時間とは思えないクオリティの作品に、会場に感嘆の声が響き渡ります。
この模様はpixiv Sketch LIVEとYouTube LIVEで生中継されており、現在アーカイブで視聴可能ですので、ぜひご覧くださいね!
初のキャッシュレス同人販売イベント、無事終了!
今回のpixiv MARKETの来場者数は約3,000人。午後4時までの開催でしたが、特に大きな混乱もなく、無事閉幕となりました。その後、サークル参加の希望者での交流会が開催され、和気あいあいとした雰囲気のなかでpixiv MARKETの全プログラムが終了しました。
今回のイベントにより、サークル参加者および一般参加者ともに、キャッシュレスでの売買のメリットを感じていただけのではないでしょうか。これからは、同人即売会もキャッシュレスの時代へ。pixiv PAYを使って、新しい形の同人即売会がもっと広がっていくかもしれませんね。