ネット同人音楽即売会「APOLLO」 第2回 開催!発起人・AnitaSunさんが語る、APOLLO開幕の秘話&新機能とは!

インターネット上だけで同人音楽作品が視聴・購入できる、ネット同人音楽即売会イベント「APOLLO(アポロ)」。その第2回が、11月20日(金)〜23日(祝月)の4日間限定で開催中です(開催中も飛び入り参加可能)!
YouTubeやニコニコ動画、そしてSoundCloudなど、ネット上で勢いを増す同人音楽ですが、「何から聴けばいいのか」「ほかにどんなアーティストがいるのか」分からない方も多いのではないでしょうか。
第2回「APOLLO」では、そんな問題を解決すべく、さまざまな仕掛けを準備しました。きっと、みなさんがまだ知らない、素敵な音楽に出会えるきっかけになるのではないかと思います。今回のpixivisionでは、その発起人である「同人音楽超まとめ」のAnitaSunさんに、「APOLLO」開催のいきさつと、新しく追加された機能などについて伺いました。
(以下、文中のアーティスト名はすべて敬称略)
YouTubeやニコニコ動画、そしてSoundCloudなど、ネット上で勢いを増す同人音楽ですが、「何から聴けばいいのか」「ほかにどんなアーティストがいるのか」分からない方も多いのではないでしょうか。
第2回「APOLLO」では、そんな問題を解決すべく、さまざまな仕掛けを準備しました。きっと、みなさんがまだ知らない、素敵な音楽に出会えるきっかけになるのではないかと思います。今回のpixivisionでは、その発起人である「同人音楽超まとめ」のAnitaSunさんに、「APOLLO」開催のいきさつと、新しく追加された機能などについて伺いました。
(以下、文中のアーティスト名はすべて敬称略)
──そもそも、なぜAPOLLOの開催に思い立ったのでしょうか?
私はもともと音楽に関わる仕事をしていたんですが、その中で、それこそ一般で言われている以上に、音楽業界の不振を肌で感じていました。
例えば、私が高校生のころは、毎日のようにレコードショップに通っていました。でも今はレコードショップに通う人がいなくなり、店の数も当時とくらべて三分の一まで減っているんですね。
以前、CDの売上の多くがレコード会社側に分配される話が話題になりましたが、今なお多くのレーベルは赤字なんです。純粋に制作費をまかなうので精一杯で、宣伝にも十分なコストがかけられません。そんな中で、制作(収録)も宣伝もすべて自前でまかなえてしまう、インターネット出身のアーティストや同人音楽に、多くのレーベルが興味を抱いたことは、不思議なことではありませんでした。 むしろ、飛びついたのがだいぶ遅かったと感じたくらいです。
例えば、私が高校生のころは、毎日のようにレコードショップに通っていました。でも今はレコードショップに通う人がいなくなり、店の数も当時とくらべて三分の一まで減っているんですね。
以前、CDの売上の多くがレコード会社側に分配される話が話題になりましたが、今なお多くのレーベルは赤字なんです。純粋に制作費をまかなうので精一杯で、宣伝にも十分なコストがかけられません。そんな中で、制作(収録)も宣伝もすべて自前でまかなえてしまう、インターネット出身のアーティストや同人音楽に、多くのレーベルが興味を抱いたことは、不思議なことではありませんでした。 むしろ、飛びついたのがだいぶ遅かったと感じたくらいです。
──生々しい話ですね……
はい、しかもネット音楽や同人音楽界隈から、音楽チャートにランクインするアーティストも出てきたり、人気楽曲の作曲家が同人音楽のアーティストだったり、というケースが非常に増えました。ネット音楽や同人音楽は、すでに音楽業界に大きな影響を与えるところにまで成長しているんですね。
──Sound Horizonが紅白にも出ましたね。
はい。ちなみに、昨年のレコード大賞を受賞した三代目J Soul Brothersの楽曲「R.Y.U.S.E.I.」の作編曲をしたのも、同人音楽出身の作曲家であるMaozonです。livetuneのVOCALOID曲「Tell Your World」は、たしか世界200ヶ国以上での楽曲配信だったと思うんですが、これは日本人アーティストとして最多だったはずです。
・三代目J Soul Brothers……2010年に新たなメンバーで構成されたEXILEの三代目ユニット。
・Maozon……同人音楽出身の作曲家。メジャーアーティストへの楽曲提供、DJとしても活動。
・livetune……ミュージシャンのkzによるソロ・ユニット。
・三代目J Soul Brothers……2010年に新たなメンバーで構成されたEXILEの三代目ユニット。
・Maozon……同人音楽出身の作曲家。メジャーアーティストへの楽曲提供、DJとしても活動。
・livetune……ミュージシャンのkzによるソロ・ユニット。
──そう考えると、ずいぶん大きな活躍をする方がでてきましたね。
話を戻しますが、同人音楽業界はこれだけ大きな影響を与えるくらいに成長しました。一方で、急激な拡大や情報源の不整備などから、東方やVOCALOIDなどの各人気ジャンルで、停滞論のような意見がものすごく広がった時期があったんです。ちょうど2013年の後半ぐらいからですかね……。
そのころから、私が運営している「同人音楽超まとめ」と、APOLLOのようなものの構想はすでにありました。とにかく、同人音楽の「入口」になるような情報源が必要だと感じていました。
そのころから、私が運営している「同人音楽超まとめ」と、APOLLOのようなものの構想はすでにありました。とにかく、同人音楽の「入口」になるような情報源が必要だと感じていました。
──Youtubeやニコニコ動画、SoundCloudなどのサービスを利用しなかったのはなぜでしょうか。
そういった検索型のサイトですと、どうしても「知らないアーティスト」にたどり着く導線がないんです。
ニコニコ動画はランキングがあって、それが非常によく機能していた時期がありました。しかし、これもまたランキングに入りやすい音楽や動画の作り方が確立してしまいました。その上、強いアーティストにはファンもたくさんいるので、同じアーティストばかりが(ランキング上に)上がってくるようになったんですね。
ニコニコ動画を中心で活動している人たちの間では、「ニコ動のランキングに載らない新曲は、存在しないに等しい」とまで言われているので、この状態は先ほどの「衰退論」が出てくるのに十分な状況でした。
ニコニコ動画はランキングがあって、それが非常によく機能していた時期がありました。しかし、これもまたランキングに入りやすい音楽や動画の作り方が確立してしまいました。その上、強いアーティストにはファンもたくさんいるので、同じアーティストばかりが(ランキング上に)上がってくるようになったんですね。
ニコニコ動画を中心で活動している人たちの間では、「ニコ動のランキングに載らない新曲は、存在しないに等しい」とまで言われているので、この状態は先ほどの「衰退論」が出てくるのに十分な状況でした。
──なるほど。
実は以前、「マイナーだけどハイセンスなボカロ曲集.mp4」という、VOCALOIDの曲を紹介する動画がニコニコ動画に投稿され、VOCALOIDカテゴリのランキングトップになったことがありました。
その動画で紹介された楽曲は、たとえば今まで数百回しか再生されていなかったものが、いきなり数万回も再生されるまでになりました。これって、すごく意義のあることだと思います。なんというか、こういうことが必要なんだと目に見えて理解した瞬間でした。
実際、海外にはHype Machineやwhyd、Pandora Radio、Spotify中のRadio機能など、「知らない音楽アーティストを掘るためのサービス」がたくさんあります。そういったサービスが、ネット音楽や同人音楽の重要な入り口になっていたりするんですよね。世界中の音楽ブログから、試聴リンクを集めて音楽プレイヤーにしたサービス「Hype Machine」(下図)。

──そういったことが、APOLLOの企画につながったんですね。
はい。 やっぱりYoutubeやニコニコ動画などよりも、知らないアーティストに出会いやすい発表の場が必要ですし、そこで実際の作品を直接頒布したり買ったりできることもまた必要だと思うんです。
しかも、pixivさんのインフラを借りられるということは、pixivユーザーがそこに流れ込むわけなので、作品を載せておくだけでもいい宣伝になるんじゃないかと。
しかも、pixivさんのインフラを借りられるということは、pixivユーザーがそこに流れ込むわけなので、作品を載せておくだけでもいい宣伝になるんじゃないかと。
──実際、昨年に第1回を開催しましたが、主催者としての正直な感想はいかがでしたか?
まずなによりも、登録数が想定の3倍近くだったことが、嬉しくも大変でした。
開発ペースもギリギリ、そしてサイトの構成も、これだけの登録数に対して平等に試聴できるような仕組みが作れませんでしたし……また、情報漏えいの件もありました。
正直に申し上げまして、参加いただいたサークルさんには申し訳ない気持ちの方が強く……。実は情報漏えいの直後、数十人くらいの参加サークルさんから、APOLLOを続けてほしいとのご声援をいただきました。私自身、それがなかったらAPOLLOは完全に畳むべきとさえ考えていました。
開発ペースもギリギリ、そしてサイトの構成も、これだけの登録数に対して平等に試聴できるような仕組みが作れませんでしたし……また、情報漏えいの件もありました。
正直に申し上げまして、参加いただいたサークルさんには申し訳ない気持ちの方が強く……。実は情報漏えいの直後、数十人くらいの参加サークルさんから、APOLLOを続けてほしいとのご声援をいただきました。私自身、それがなかったらAPOLLOは完全に畳むべきとさえ考えていました。
──そうだったんですね……。今回のAPOLLOは、その点をどのように改善されたんでしょうか。
情報漏えいの件は、pixivさんのサーバ作業のオペレーションミスだったようですので、体制変更とチェック体制の強化をお願いしました。
一方で「知らないアーティストを知れる」ような枠組み作りとしては、いくつか抜本的な機能追加をしています。
ソート機能や検索機能の充実はもちろんなんですが、一番のキモは「30分交代で、すべての作品がトップページの上部にあがってくる」ということですね。
一方で「知らないアーティストを知れる」ような枠組み作りとしては、いくつか抜本的な機能追加をしています。
ソート機能や検索機能の充実はもちろんなんですが、一番のキモは「30分交代で、すべての作品がトップページの上部にあがってくる」ということですね。

──なるほど!
もうひとつの大事な機能は「サークルインタビュー機能」です。
──「サークルインタビュー機能」ですか。
はい、率直に言ってしまいますと、ask.fmとかThe Interviewsなどの、だれかへ質問をしたり、インタビューに答えたりする交流サービスと同じような機能です。たとえば、Twitterでインタビューを募集すると、少なくても数日間はTwitterのタイムライン上で、大喜利のように生き続けるじゃないですか。
前回のAPOLLOよりも、開催中にTwitter上でリアルタイムに話題が拡散していく仕掛けとして、開催期間中を走り切る、大喜利機能として用意しました。各サークルさんが「ここからインタビューを募集しています!」と呼びかけていただければ、APOLLOで作品を頒布していることを効率よく拡散できるかなと思いまして。 あ、これ、太字にしておいてください!
前回のAPOLLOよりも、開催中にTwitter上でリアルタイムに話題が拡散していく仕掛けとして、開催期間中を走り切る、大喜利機能として用意しました。各サークルさんが「ここからインタビューを募集しています!」と呼びかけていただければ、APOLLOで作品を頒布していることを効率よく拡散できるかなと思いまして。 あ、これ、太字にしておいてください!
──はい、します!
なにしろ前回は、多くのサークルさんがとても実直に頒布されていたので、今回は少しフランクな機能を追加してみました。もっと面白い使い方をしてもらうきっかけになればなあと……。
あ、そうだ、ちなみに開催期間中も参加受付しています。 飛び入り参加も可能です!それから、今回はDVDや書籍など、CD以外の物理メディアの頒布もOKになりました!これも宣伝臭いですが太字で……。
あ、そうだ、ちなみに開催期間中も参加受付しています。 飛び入り参加も可能です!それから、今回はDVDや書籍など、CD以外の物理メディアの頒布もOKになりました!これも宣伝臭いですが太字で……。
──わかりました(笑)。それでは最後に、APOLLOをご覧のみなさんに何か一言お願いします。
APOLLOは「Web上のみで開催される」という前代未聞の同人音楽即売会です。 ただ、定着するには、みなさんにSNSなどで宣伝協力いただくことが必要不可欠でして……。お気に入りの作品を見つけたら、アーティストさんのためにもURLのツイートをしてあげてください!
APOLLOは「ながら聴き」ができるサービスですので、pixivisionをご覧の、イラストが好きな方々にも楽しんで使ってもらえるサービスだと思います。よろしくお願いいたします!
APOLLOは「ながら聴き」ができるサービスですので、pixivisionをご覧の、イラストが好きな方々にも楽しんで使ってもらえるサービスだと思います。よろしくお願いいたします!
──ありがとうございました!
以上、「同人音楽超まとめ」AnitaSunさんへのインタビューでした。pixivでイラストを見るときや、お絵かきするときのお供としてもぜひ、APOLLOへアクセスしてみてくださいね!
【第2回】ネット音楽マーケットイベント「APOLLO」は、11月23日まで開催中!
今年は4日間限定のオンライン音楽マーケット!
2015年のAPOLLOは11月20日(金)〜 11月23日(祝月)の4日間限定で開催!いつものサークルを探すもよし、新しく発掘するもよし、あなたなりの楽しみ方で4日間を盛り上げましょう!
楽曲を購入して応援メッセージを送ろう!
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