【紙が織り成す空想世界】cocoroさんHOW TOインタビュー

- cocoro
- 絵・工作・物語を繋ぎ三位一体の空想世界を創造。全国の同人誌即売会・アートイベント・展示会にて活動中。「繋げる」ことに興味があり、創作の中だけでなく、発表の場など繋げることで生まれる新たな「仕組みや概念」などを模索しています。
幼いころから工作が好きで、輪ゴムを動力にした車や仕掛けおもちゃ
ダンボールを切って棚などを作っていました。
ゲーム(特にRPG)が好きだったり、タイピングゲームにもはまっていたりで
今思えば色々と指先を使う趣味が多かった気がします。
絵を描き始めた時期は遅く、大学(経済学部)に入ってからで、色に関わる仕事に就きたく配色の練習を兼ねて絵を描いたのが描き始めのきっかけでした。
絵を描くというよりもプラモデルやコラージュのようにパーツを描いて組み立てるという手法を当初から行っていました。
活動を始めたのは大学の頃からで、待ち受け画像の投稿サイトを知り、そこを主に発表の場にしていました。
色んな人に見てもらい反応があることに喜びや面白みを感じて、絵を発表していくことにはまっていきました。
その後、学内の学園祭で絵の販売をすることになり、直接見てもらうことの楽しさを知り、近所の手作り市やレンタルボックスなどを経験しながら、旅行好きでもあったので、遠方のイベント(デザフェス、コミティアなど)にも出展し始め、現在は全国を回るようになりました。
「飛び出すカード」や絵を組み合わせた「クラフト作品」を作り始めたのは少し経った後で、きっかけは「絵が飛び出たらもっと面白そう!」という単純な発想でした。
僕の絵を仕上げる手法と相性も良かったので、どんどん試行錯誤をして飛び出しの仕組みや作り方など独自に発展させていきました。
今は一枚の紙(絵)に切り込みと折り曲げだけで作る「一枚切りの飛び出すカード」にはまっています。今までは「絵」と「土台」を別々に作り最後に張り合わせるという手間の掛かるもので、それだと手にとってもらうにも時間や費用が掛かりすぎるので何とかしたいと想いから生まれました。

いろいろなものを使っているのですね!ピンセットや、ペン型の消しゴムなど細かい作業に適した道具がありますね。インクのなくなったボールペンまで…!
作業環境はどのようになっているのですか?

作業部屋ですが、殺風景で乱雑です。。(汗)
作家さんの絵や作品はリビングとかには飾っているのですが、印象的な絵が身近にあると制作に影響が出そうな気がして作業部屋では控えています。
モニターのすぐ上にプリンター その横にスキャナーモニターの横が出展イベントの資料と作品の下書きなど、座っている位置の右側が作業台。
描く→スキャン→フォトショップ→印刷→切り抜き→制作
が手の届く範囲で出来るようにしています。
まず大まかな形を頭の中でぼんやり思い浮かべます。
作り方は作品によって様々ですが、「ウルニエ城」という作品はピラミッドのように下から順に積み上げる感じで作っていきました。
作業2

コピー用紙にざっくり下絵を描いて、ざっくり切って実際に飛び出して行きます。
あとは、修正→飛び出し→修正→飛び出し・・・の繰り返しです。
バランスやボリューム、強度(無理な飛び出しでなるべく一点に負荷がかからないようにする)などを考えながら、はみ出ないようにして全体を整えて行きます。


全体像が見えて来たらコピー用紙から実際に使う厚紙に変えて行きます。
このあたりから設計図の精度を上げるためフォトショップの[定規][ガイド]機能で「折り曲げる箇所の数値」も整えて行きます。
作業4

線画をシャーペンで描き込んだあと、ボールペンで清書していきます。
全体の雰囲気をやさしくするために線が交差するところに「溜まり」を描いています。
作業5

線画が完成したらフォトショップに取り込み、線をキレイにして線画だけのポップアップカードを作り上げます。
平面で配色しても、立体になったときに配色バランスが変わるのでこの「線画ポップアップカード」を見ながら立体的に配色を考えて行きます。



実は完成した後にも作品作りは続いていて、この先「どう展開していくか」を考えています。これも冒頭でお話した「繋げる」作業です。
数年後に繋がることもありますが、今回は「光」と組み合わせることですぐに良い展開に繋がりました。

さらにほんの数日前にも工作教室で教えていた男の子に教わりまして。普段イベントで一緒にお配りしている2種類から選べるライト「ロウソク色」と「虹色(色が変わる)」を同時に入れることで光の混色が楽しめることに気づかされました。
これは完全に盲点でした。やられました!
「クラフト作品」と光のコラボレーション、すごく神秘的で綺麗ですね!
cocoroさんは色んなイベントに出展されていると思うのですが、イベント出展の魅力や展示や販売の際に気をつけていることがあれば教えてください。
イベント出展の魅力は、他の出展者さんと交流できることと、やっぱり直接見ていただいた人の反応が見れることです。ふと聞こえてくる嬉しいお言葉に心の中で「ありがとうございます!」とか「よしよし!」と叫んでます(笑)
展示・販売の際に気を使っているというか大切にしているのは、見に来ていただいた方へ作品や商品意外にも「ちょっとした感動」を持ち帰ってもらえるようにしています。
お配りする名刺が立体になったり、商品用の紙袋や留めシールをオリジナルデザインだったり、色んな見せ方で作品を紹介、説明したりして「ここに直接これて良かった」と思ってもらえるよう考えています。
作品以外にも「ちょっとした感動」を提供できるように、色々な工夫をされてているのですね!
うまく展示するコツなどはあるのでしょうか?

イベント展示のコツは、遠くから見た時「何かある?!」と反応してもらえるような配置にすることですかね。
単純にボリューム感を出して、「掘り出し物を見つけたい!」と思われるような展示を意識しています。逆に個展などでは作品1点1点をじっくり見てもらえるようにシンプルに配置したりしています。
あと積極的に声を掛けて、作品・商品の説明をするようにしています。
(顔を覚えるのがとても苦手なので、何度も同じ説明をしてしまうこともあり申し訳ないこともありますが・・・)
「pixiv FACTORY」でオリジナルグッズを気軽に作れて、そのまま販売も出来るのが良いなと思いました。グッズ作りが好きなので1個から作れるサービスはとても魅力的です。実際、自分で「めがねクリーナー」と「傘」を作って注文したのですが、現物を見ると作りも良くて感動しました!
あと、色んな種類のポストカードやストラップを1ページでまとめて販売できることですね。BOOTHさん以外ではこの機能が無いので、全種類ばら売りしているのはBOOTHさんだけです。
それと、商品の値段は手数料が無い(出展料は入りますが)直接販売を想定して設定しているので販売手数料が安いBOOTHさんはとてもありがたいです!
今後欲しい機能ですが、出来れば各ブースを一覧で見れる機能が欲しいです。
前々から考えているのですが「ボードゲーム」と「カードゲーム」ですね。
飛び出すカードや世界設定など「仕組み」を考えるのが好きで、アトリエココの世界感と興味のある色彩学を繋げて何か作り上げたいです。
いつもサイトやイベントにお越しいただき本当にありがとうございます!
アトリエココは好きに感動を求めて作品作りをしているので、時に「なんじゃこりゃ?」というものを作るかもしれません。
ですが、これからもココでしか見れないもの、感じられないものを目指して頑張って行きたいと思います。
これからもよろしくお願いします!