【小説6選】本の中の住人から依頼を受ける「修復屋」の話、他

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ピクシブ文芸には、文章テクニックの記事や小説家ライター講座など、作家を目指す人を応援するコンテンツ以外にも、pixivに投稿された優秀作品を紹介する「ピックアップ」のコーナーも掲載されています。
そのピックアップでとりあげた作品を2週に1度、pixivisionでもご紹介していきます。
どれも素晴らしい作品ばかりなので、ぜひご一読ください。
ある日、中学生の男子が自殺し、彼がクラスメイト全員の夢に夜な夜な出現。一人、また一人と凄惨な方法で自殺を遂げていくが、ただ一人だけ、彼が夢に現れていない主人公・向田学が、その真相に迫っていくホラーサスペンス。日々、迫りくる恐怖におびえる生徒たちの様子と、解決しようと奔走する向田の苦悩が彼の日記を通して心情豊かに描かれます。並行して、怪しい動きを見せる中年男性2人のエピソードも挟まれ、無関係と思われる2つの物語がどうなっていくのか非常に気になって仕方なくて時間を忘れて読みました。
よく練られたストーリー展開と構成が秀逸です。
警備会社でバイトをする大学生・雪ヶ谷静也。いわく付きの現場「マル幽」担当の彼が深夜の博物館警備で出会ったのは、イルザルと名乗る男。まったく別の人生を送ってきた二人が時間と場所を越えて心を交わすファンタジー。
イルザルは怪異現象を自在に起こせる幽霊という設定で、展開も現実離れしたところが多々ありますが、主人公の心情や情景が丁寧に描写されているためぐいぐいと読ませられます。後半の自称霊能力者との対決もスリリングで、最後まで楽しめる作品です。
何らかの理由で作者の意に沿わず変わってしまった物語を、本の中の住人達からの依頼を受け、本を修復し、元の状態に戻すという“修復屋”に勤める人々の活躍を描くファンタジー。“1冊目”は「白雪姫」で、「お城から、色艶のいい林檎が入って来ない」とクレームが来るという林檎農家からの依頼。
修復というユニークな発想や、多彩なキャラクター設定など、作者が生み出す豊かな世界観にワクワクさせられます。改めて童話のストーリーを知ることもでき、子どもから大人まで楽しめるシリーズになりそうです。
AI(人工知能)が搭載された自立駆動できるロボットの量産が可能になり、労働をしている人間のほうが少なくなった未来の社会が舞台。主人公のロボット“私”は、面接に落ちまくる、いわゆる落ちこぼれ。自分を造った博士がつけてくれた特権である“落ち込む”という機能を恨みつつも、大好きな博士に申し訳ないと思う“私”。それに対し、怒りも励ましもせず、淡々と接する博士の意図とは……?
世界観や設定がとてもユニークで興味深く、この社会に生きる、いろいろなロボットのエピソードを読んでみたくなりました。
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