私と貴女の物語。コミック百合姫×pixiv 百合文芸小説コンテスト開催中!

コミック百合姫とpixivが共同で開催する、百合文芸小説コンテストが2018年11月19日(月)より始まりました。
開始から2週間で応募数が200作品を超える大注目のコンテスト。今回はコンテストの概要と、pixivision編集部がピックアップした応募作品をご紹介いたします!
名作の予感。応募作品の一部をご紹介!
「お母さん……」
一瞬聞き間違いかと自分の耳を疑ってしまう。
「さすがに私、そんなに歳じゃないんだけど」
「いえ、違うんです。そんな風には言ってくれるのは最初の
お母さんだけだと思ってたので」
そう言った久遠さんは、とてもうれしそうに見えた。
コメント:時は大正。田舎から東京へ出稼ぎに来た女中の「私」と女学生の「彼女」との密やかな文通。彼女の小さな口が奏でる音を想像しながら季節は過ぎて行き……。情景が目に浮かぶ美しい文章に、世界へ吸い込まれる心地になります。ささやかで切ない物語。
はるからずつとおしたひまうしてをりました。
いつもどのやうなごほんをおよみになられるのですか。
このたった二行を書くのに、気付けば満月が空高く輝いていた。
「キスをして」
と命ぜられるままにキスをして、キスをしてあげたのに、
「なんか思ってたよりも、ドキドキしないんだけど」
と唇を離してからそっけなく言われてしまったものだから、少々むっとしながら、
「ドキドキしませんね。同性だからでしょうか?」
と応じたら、いきなり勢いよく頬を平手打ちされた。
コメント:桜華(さか)は、桜が嫌いで、世界が嫌いだった、そんな彼女に初めてできた高校の友人。彼女と一緒に過ごす毎日は、気まぐれで穏やかだったけれど……。ちょっと苦い読後感の作品がお好きな方へ。
あたしが生まれた時、病院の庭には桜が満開だったらしい。その華やかな桜に見とれて親がつけた名前が桜が華やかに咲くと書いて桜華。「さか」と読む。
本当に変な名前だと自分でも思う。
さいかとか、さやか、とか女の子らしい名前から、真ん中の一文字を抜いているみたいだ。だからなのかはわからないけど、どうやらあたしの人生は、大事なものがそれこそ桜の花びらみたいに色々抜け落ちてような気がした。
笑顔とか、優しさとか、
……友達とか。
淡い想いを文字に込めて。
いかがでしたか?
二週間で応募総数が200を超える大注目のコンテストはまだまだこれからです!
このほかにも、ドキドキや切なさの詰まった素敵な百合小説がたくさん投稿されています。ぜひコンテスト応募作を読んで、お気に入りの作品を見つけてみてください。
百合文芸小説コンテストとは?
大賞作品には賞金5万円が授与されるほか、コミック百合姫へ扉絵・挿絵付きで掲載、書店配布予定の小冊子に収録されます。
コンテスト詳細は下記をご覧ください。
■「コミック百合姫×pixiv 百合文芸小説コンテスト」公式ページ
募集期間:2018年11月19日(月)~2019年1月27日(日)23:59まで