8年前の終わらない夏休み再来! 『涼宮ハルヒの憂鬱』エンドレスエイトがNHKBSプレミアムにて6月23日より8週連続放送

NHKアニメワールド 公式ホームページより
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文:いしじまえいわ / 編集・長谷憲
TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』2009年版にて放送され、当時アニメ界を震撼した「エンドレスエイト」が、NHKBSプレミアムにて放送中の再放送版でも放送されることが分かりました。
「エンドレスエイト」とは?
人気アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』内の1エピソードで、NHKBSプレミアムの番組説明では以下のように紹介されています。
夏休みも立秋を過ぎ、早くも残り約2週間となったある日、夏の高校野球甲子園大会も準々決勝あたりまで来ている時に、突然、涼宮ハルヒから電話がかかってきた。残り少ない高校一年の夏休みを皆で大いに楽しもうということらしい。早速、いつもの駅前に勢揃いするSOS団の面々。
『涼宮ハルヒの憂鬱』NHKBSプレミアムの番組説明より
これだけ読むと高校生の日常ものアニメの1話に過ぎないように見えますが、さにあらず。同じページの「今後の放送」欄はこのようになっています。

同じ話が4回もありますが、この調子で8月まで続きます。しかもこれは続きの話ではなくほぼ同じ話が8回放送されるのです。
タイムリープものとして特異な「エンドレスエイト」
「エンドレスエイト」は『シュタインズ・ゲート』(2011年)や『魔法少女まどか☆マギカ』(2011)、『Re:ゼロから始める異世界生活』(2016)など、ループもの、タイムリープものと呼ばれる、同じ時間を何度も繰り返す展開の作品の1つです。
他の作品と「エンドレスエイト」が大きく違う点は、毎回ほぼ同じ話であることです。
タイムリープものでも通常、全く同じシーンは2、3回くらいですが、「エンドレスエイト」の場合、8回中7回がほぼ同じ展開、2回目から7回目の合計6回は台本自体が(作中のとある数字を除いて)完全に同じなので、同じシーン、同じセリフを何度も何度も体験することになります。
時間が永遠にループする絶望感を、アニメを見る視聴者としてではなく、自分の経験として実感することになるのが「エンドレスエイト」の真骨頂です。
なお、同じ動画や同じセリフの使いまわしはほぼ皆無で、京都アニメーションの美麗な作画と、ベテラン声優さんの演技は毎回新規で制作されています。しかもBGMも回ごとに違うという、ものすごく労力のかかった作品になっています。
今回の放送は8年前の再現版! リアルタイムで「終わらない夏休み」を体験できる!
『涼宮ハルヒの憂鬱』は近年でもAbemaTVやBS11などさまざまなメディアで再放送されていますが、「エンドレスエイト」を初回放送時と同じく6月から8月の3か月にわたって毎週1回ずつTV放送で体験できるのは今回が初。
「あれ、この回前も見たような?」「今何回目だっけ」という、一気見では得られにくい、8年前の「これいつ終わるんだよ!」「また脱出失敗した!」と思いながら見た体験を追体験できることでしょう。
それって面白いの?
全く同じ話が何度も続くのですから、「エンドレスエイト」は当時からさまざまな面で意見が交わされているエピソードです。
ただ、制作スタッフや声優さんのアドリブによって回ごとに微妙にニュアンスが違いますし、足掛け3か月かけて全話見終えた時の爽快感は格別です。
そして、作中と同じ8月の暑い季節に「エンドレスエイト」が終わる頃には「1度しかない高校1年の夏休みが終わってしまうのか……」という寂しさや「ずっと見ていたかったな」という感覚さえ起きてしまいます。これも、本作にしかない魅力です。

今回の放送に先駆けて、8年前のアニメの1エピソードに過ぎない「エンドレスエイト」がTwitterのトレンドワードに入ったり、NHK広報局の公式アカウントが下記のように印象深げにつぶやいたりするのも、「エンドレスエイト」の計り知れない魅力ゆえでしょう。
この特異なエピソードをありのままの形で放送することに決めたNHKBSプレミアムの中の人と、この挑戦的な作品を当時世に送り出した制作スタッフのみなさんには、よくぞやってくれたと心から拍手を送りたいと思います。
未見だった方も、8年前の熱い夏をハルヒたちと過ごした方も、この夏ぜひ「エンドレスエイト」を「体験」してみてはいかがでしょうか?
□番組情報『涼宮ハルヒの憂鬱』□
NHKBSプレミアム 毎週金曜 午後11時45分から放送
番組ページ:http://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=haruhi
「涼宮ハルヒの憂鬱」特設サイト:http://www.haruhi.tv/fanclub/
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